2014/11/25

12/6セミナーご案内: 第5回北陸地区大学・短大「連携FD」研修会「大学と社会をつなぐキャリア教育」

第5回北陸地区大学・短大「連携FD」研修会

 中部圏23大学(5短期大学を含む)の中部地域大学グループは、本選定事業を通し、自ら前に踏み出し、考え抜き、チームで働き、チャレンジする教育改革力の成長をめざし「アクティブ・ラーニングを活用した教育力の強化」「地域・産業界との連携力の強化」をテーマにさまざまな取組みを行っています。北陸地区5大学・1短大を結ぶ「連携FD」研修会は、互いの教育力の深化をはかる学びあいの場として開催してきました。
 第5回となる今回は、これまでの「連携FD」研修会を振り返り、これからの大学教育、キャリア教育の方向性を見つめます。大学と社会をつなぐキャリア教育をテーマに、法政大学キャリアデザイン学部教授 児美川孝一郎氏をお迎えし、基調講演とパネルディスカッションを通して事例・手法・課題について議論し、学生の就業後の姿に光をあてるためのキャリア教育の未来を探ります。


日時:平成26年12月6日(土)13:00~16:40
   ※17:00~18:00交流会(有料)
主催:中部地域大学グループ北陸チーム(担当校:金沢大学・金沢工業大学)
会場:金沢商工会議所 ホール
   〒920-8639 石川県金沢市尾山町9番13号
   http://www.kanazawa-cci.or.jp/index.html

プログラム:
   13:00~13:10 開会の挨拶
   13:15~14:15 基調講演
     「大学と社会をつなぐキャリア教育」 児美川 孝一郎 氏
     (法政大学キャリアデザイン学部教授 教育開発支援機構FD推進センター長)

   14:15~14:30 休憩
   14:30~16:00 パネルディスカッション
     パネリスト 児美川 孝一郎 氏 (法政大学 キャリアデザイン学部教授)
       山本 均 氏 (金沢大学 学生部就職支援室長)
       長谷川 勉 氏 (金沢工業大学 基礎教育部修学基礎教育課程教授)
       岡野 絹枝 氏 (金城大学短期大学部 ビジネス実務学科長)
      コーディネーター 杉森 公一 氏 (金沢大学 大学教育開発・支援センター准教授)

16:00~16:30 質疑応答
   16:30~16:40 閉会の挨拶

   17:00~18:00 交流会(有料)
   【場所】金沢商工会議所2階
    ※交流会の会費は3,000円です。

【お申込み方法】
下記①または②にて必要事項(氏名,よみがな,所属・職名,交流会参加の有無)を
ご記入の上,メールまたはFAXで下記お申込み先へお送りください。
①案内チラシの参加申込書
②任意様式(Excel)

【お申込み期限】
11月28日(金)

【お申込み先】
金沢工業大学
Email intern[at]kanazawa-it.ac.jp
FAX 076-294-6715

【お問い合わせ先】
金沢大学 学生部就職支援室
TEL 076-264-5265

金沢工業大学 産学連携推進部キャリア支援室
TEL 076-294-6985

【詳細】
http://s-needs-chubu.pj.mie-u.ac.jp/hokuriku/files/0628dbbbf6791cc2dd0c0210e5ce3270.pdf

2014/10/21

11/22セミナーご案内: 「大学間の連携を活かした教育~本気で考える教育~」

e教育サロン第4回シンポジウム https://www.facebook.com/edusalon
 「大学間の連携を活かした教育~本気で考える教育~」 

日時:2014年11月22日(金)13時30分~18時
場所:金沢大学サテライトプラザ 1階「交流サロン」(石川県金沢市尾張町)

◎タイムテーブル
13:00 開場
13:30-13:40 開会あいさつ
13:40-15:00 基調講演 1
15:00-15:20 休憩
15:20-16:40 基調講演 2
16:40-17:00 休憩
17:00-18:00 全体討論
18:00 閉会
19:00 懇親会(金沢市内、会費5,000円程度を予定)

◎司会進行:佐藤伸平氏(金沢電子出版株式会社)
◎開会挨拶:佐藤正英先生(金沢大学総合メディア基盤センター)

【基調講演 1】
◎講師:小松川浩先生(千歳科学技術大学メディア教育センター長)
◎タイトル:大学連携による共通基盤教育要素の検討と実践〜共通の到達度設定と主体的な学びの促進〜
◎概要:
 現在、国立・私立・4大・短大・文系・理系混在の8大学にて日本語・英語・数学・情報に関する共通基盤的な教育内容に関する、入学段階及び初年次系修了段階の到達度テストの整備や対応する学習教材の整備を図り、ICTを活用して主体的な学びを促す教育方法を相互に試行して、その成果を共有する取組を実践している。
 講演では、取組の概要を示した後、大学間での教材や評価の共通化によるメリットや、大学の独自性の観点での共通化の難しさ・体制作りの工夫等に触れる。

【基調講演 2】
◎講師:古畑徹先生(金沢大学附属図書館長)
◎タイトル:「学都いしかわグローカル人材育成プログラム」の可能性〜高等教育機関における地域コンソーシアムの活用方法〜
◎概要:
 10年以上にわたる大学コンソーシアム石川の活動は着実な成果をあげ対外的な評価も得てきた一方、なかなかその活動が県内高等教育機関内に浸透せず、ステークホルダー、とりわけ企業団体等との実質的な連携もほとんど構築できていなかった。平成24年度からの文科省大学間連携共同教育推進事業に採択された「学都いしかわ・課題解決型グローカル人材育成システムの構築」では、この問題点の改善が目指され、ステークホルダー側のニーズを踏まえて新たな教育プログラムが開発された。
 そのプログラムの概要と今後の課題を話題の中心に置きつつ、個別高等教育機関にとって地域の大学コンソーシアムのもつメリットがどこにあるかを考える。

【全体討論(ラウンドテーブル形式)】
◎タイトル:教育改革のために、教員・職員・大学はどのように協力すべきか
◎概要:
 教員や職員、組織としての大学(さらには学生)が可能な協力とは何か?そのために必要なものは何か?等々について、フロアからも広く意見をいただきながら議論をしてみたい。
◎進行:森祥寛先生(金沢大学総合メディア基盤センター)
◎コメンテーター:
小松川浩先生(千歳科学技術大学メディア教育センター長)
古畑徹先生(金沢大学附属図書館長)
鹿野勝彦先生(元金沢大学教育担当理事、前小松短期大学学長)
澤田茂保先生(金沢大学外国語教育研究センター長)
杉森公一先生(金沢大学大学教育開発・支援センター)
ほか

【開催】
主催:e教育サロン
共催:金沢大学総合メディア基盤センター
後援:金沢大学大学教育開発・支援センター、金沢大学外国語教育研究センター
協力:金沢電子出版株式会社
その他:本シンポジウムは大学間連携共同教育推進事業「学都いしかわ・課題解決型グローカル人材育成システム」のFD・SD事業と連携しています。

詳細:https://www.facebook.com/events/1465747837046820/

2014/09/24

9/29セミナーご案内:「地域で学ぶ」の評価にむけて~ルーブリック評価の導入実践~

大学間連携共同教育推進事業「学都いしかわ・課題解決型グローカル人材育成システムの構築」 http://gakuto.ucon-i.jp/
FD・SD研修会「地域で学ぶ、地域と学ぶ」第6

「「地域で学ぶ」の評価にむけて~ルーブリック評価の導入実践~」

日時:9月29日(月)18:30~20:30
会場:金沢大学サテライトプラザ 2階 講義室
対象:高等教育機関教職員 及び 関心のある方
参加費:無料
定員:40名

 学習達成度を判断・評価する基準を示すツールとして「ルーブリック」が注目されている。今回の研修会は、実際に授業科目でのルーブリック評価の実導入に向けて、必要なスキルを学ぶことを目的とする。
 前回の研修会(7月5日開催)では、講義やルーブリック評価の体験を行い、基礎的な理解を深め、参加者自身が担当する授業のルーブリック作成を実施した。(実施報告:http://gakuto.ucon-i.jp/fdsd05/
 今回は前回作成したルーブリックを実導入する場面を想定し、実施する。また、新規参加者は、事例報告や継続参加者との情報共有により、理解を早めることができる。

1.ルーブリック導入事例報告 
 学生への提示から評価の実践まで
 講師:金沢大学大学教育開発・支援センター 准教授 杉森 公一
2.ワークショップ
 作成ルーブリックの共有、意見交換
3.質疑応答 
 Q&Aの実施
 発表、意見交換

9/29セミナーご案内:学士課程の学習成果(Learning outcomes)のグローバルスタンダードについて考える

金沢大学 大学教育開発・支援センター
第18回カリキュラム研究会・第16回評価システム研究会

日時:9月29日(月)14時30分~16時
場所:金沢大学角間キャンパス総合教育1号館2階大会議室

テーマ:学士課程の学習成果(Learning outcomes)のグローバルスタンダードについて考える
発表者:西山宣昭(大学教育開発・支援センター)
趣旨:現在、全学に向けて提示されている金沢大学<グローバル>スタンダード(案)は、学士課程<グローバル>スタンダードと大学院課程<グローバル>スタンダードとからなり、前者は本学の学士課程教育の学習成果としての5つの能力を明文化したものである。今後、これらの全学が共有する学習成果を各学類の専門分野の文脈で解釈した上で、各学類が定める既存の学習成果を整合させる必要がある。また共通教育の新しいカリキュラム、コア科目についての検討の指針となる。本研究会では、本学の学士課程<グローバル>スタンダードとAAC&U(The Association of American Colleges and University)が提示しているリベラル・アーツ教育の16の学習成果モデルとの対比について考察しながら、5つの能力を曖昧さなく理解することを目的とする。

2014/07/24

7/25セミナーご案内:学生フォーラム -学生の提案する理想の学び

金沢大学 大学教育開発・支援センター
第23回学生・学習支援研究会

日時:7月25日(金)13時00分~14時30分
会場:金沢大学中央図書館ブックラウンジ (ほん和かふぇ。)

テーマ:学生フォーラム -学生の提案する理想の学び
報告者:「アクティブラーニング入門」受講学生

趣旨:大学教育開発・支援センターでは、2014年4月より共通教育科目「アク ティブラーニング入門 ~反転教室、協同による学び~」を新規に開講し、知識 伝達のみにとどまらない能動的学習の方法を取り入れた授業実践を試行してい る。事前の資料提示・講義ビデオ視聴をもとに授業内にディスカッションを行う 反転授業と協同学習、クリッカー(リモコン式意見集約装置)を用いた授業への 双方向の参加、小グループによる知の創出を目指すプロジェクト活動によって、 受講学生は大学での「理想的な学び」の在り方を見出そうとしている。本研究会 では、授業の最終回である学生グループの成果報告を「学生フォーラム」として 公開し、参加者とともに考える場を創出したい。

詳細:http://herd.w3.kanazawa-u.ac.jp/event/pdf/140725gakusei-forum.pdf

2014/06/12

7/10セミナーご案内:学習成果達成度をいかに測定するか

金沢大学 大学教育開発・支援センター
第15回評価システム研究会

日時:2014年7月10日(木)16時30分~18時00分
場所:金沢大学角間キャンパス・総合教育1号館2階大会議室

テーマ:学習成果達成度をいかに測定するか
報告者:西山宣昭 (大学教育開発・支援センター)

趣旨:学習成果達成度等自己評価アンケートの設問およびデータ分析の方針について、京都大学高等教育研究開発推進センターによる学生の学習実態の経年変化の調査等の先進的事例の検討や卒業研究の評価、外部試験の有効性の検討なども行い、議論したい。

2014/06/09

7/5セミナーご案内:「地域で学ぶ」の評価にむけて~ルーブリックへの基礎的理解とその実践~

大学間連携共同教育推進事業「学都いしかわ・課題解決型グローカル人材育成システムの構築」 http://gakuto.ucon-i.jp/
FD・SD研修会「地域で学ぶ、地域と学ぶ」第5回

「「地域で学ぶ」の評価にむけて~ルーブリックへの基礎的理解とその実践~」

日時:7月5日(土)10:00~16:00
会場:金沢星稜大学 本館4階 大会議室
対象:高等教育機関教職員 及び 関心のある方
参加費:無料
定員:50名

学習達成度を判断・評価する基準を示すツールとして「ルーブリック」が注目されている。今回の研修会では、ルーブリックについての基礎的な理解を深め、実際にルーブリックを使っての評価を体験する。その後、学生評価のためのルーブリック作成を、個人授業の学習目標のふりかえりと合わせて行い、実用レベルへの引き上げを目指す。 

1.講演 
 「ルーブリックとはなにか?」 
 講師 金沢大学大学教育開発・支援センター 准教授 杉森 公一 
 背景:アクティブ・ラーニング、学生参加と協同学習 

 2.ワークショップ① 
 ルーブリックの基礎、用語説明 
 ルーブリックの事例 
 ルーブリック評価の体験 

 3.ワークショップ② 
 ルーブリック作成の準備(個人授業の学習目標のふりかえり) 
 個人授業のルーブリック作成 
 発表、意見交換

2014/05/08

教育と研究の二項対立を超えて

大学教育開発のアクター(主体)とは誰で、どこへ向かうのかに迷ったら、
内なる教育哲学と対話をしながら、学生とじっくり向き合う時間を取ろう、と思ってきた。

先日、NHK「“救国”の大学論 2014」の冒頭の議論が、インパクトが強くて
同世代の論客たち(中室牧子、山崎大祐、横田幸信、与那覇潤)の熱に、ぐっとくるものがあった。

近刊で、似たような熱を帯びているもの、
大学改革のアクターの友情のようなものに出会うことがある。
・無名大学を優良大学にする力 (学文社)
・FDガイドブック―大学教員の能力開発 (玉川大学出版部)
は、単なる評論、批評ではない実践の記録であろう。




過去のツイートで、「正義」と「使命」という表現で
大学の意義、二項対立を超える光、学生の可能性を自問自答していたことをふと思い出した。

追記:
東洋経済オンライン ニッポンの大学の”ジレンマ”とは 古市憲寿×吉見俊哉対談
(上) http://toyokeizai.net/articles/-/36010 
(下) http://toyokeizai.net/articles/-/36132

2014/03/09

3/18セミナー案内:能動的学習と学習成果

平成25年度教育実践報告会・第11回大学教育セミナー
「能動的学習と学習成果」
http://herd.w3.kanazawa-u.ac.jp/research/semminer/?y=2013

主催:金沢大学教育企画会議教育改革部会
共催:金沢大学教育企画会議FD委員会、金沢大学大学教育開発・支援センター

日時:3月18日(火)13時30分~17時
会場:金沢大学角間キャンパス自然科学図書館棟大会議室

趣旨:金沢大学における「各学域・学類及び共通教育機構における能動的学習を促す実践事例 を全学で共有し、各部局における授業形態に応じた能動的学習を推進する」取組の一環として, 能動的学習に基づく課題探究・課題解決力等を養う学類の優れた取組みについて全学で共有す るとともに、他大学の事例も参考としながら、学内外の参加者とともに「能動的学習」の設計 とその学習成果について議論する。

【プログラム】
【総合司会】渡辺達雄・大学教育開発・支援センター准教授
13時30分~13時35分
【開会挨拶】中村慎一・教育担当理事・副学長
【講演】
13時35分~14時20分
山田和人・同志社大学PBL推進支援センター長  「PBL と学習支援-同志社大学プロジェクト科目におけるTA・SA協議会の試み」
 【学内事例報告】
14時20分~14時45分
村井淳志・学校教育学類教授 「教育現場で即戦力となれる社会科教師を養成するための初等社会科教育法の実践-100名受講の大講義-」
14時45分~15時10分
佐藤秀樹・経済学類准教授 「経済学類の初学者ゼミ―具体的事例の紹介―」
15時10分~15時35分
米山猛・機械工学類教授 「創造デザイン実習による課題解決能力育成」
15時35分~15時50分 <休憩>
15時50分~16時55分
【全体討論】
16時55分~17時
【閉会挨拶】西山宣昭・教育改革部会長・大学教育開発・支援センター長

【参加申し込み】
※終了しました

2014/02/24

3/4セミナーご案内:地域社会と連携する大学 ~高等教育プログラムとしての可能性~

大学間連携共同教育推進事業「学都いしかわ・課題解決型グローカル人材育成システムの構築」 http://gakuto.ucon-i.jp/
FD・SD研修会「地域で学ぶ、地域と学ぶ」第4回

「地域社会と連携する大学 ~高等教育プログラムとしての可能性~」

日時:3月4日(火)13:30~16:30
場所:しいのき迎賓館セミナールームA
対象:高等教育機関教職員、行政・企業関係者、NPO・まちづくり関係者等

内容: 今回は、実際に授業カリキュラムの中で実施された、4つの地域連携プログラムの事例をご報告いただきます。プログラムの内容はもとより、実施に至るまでのプログラム構築のプロセス、目指した教育効果、その評価と課題などについて、教育分野の専門化の視点も交えつつ、参加者間での議論を行っていきます。多数の方にご参加いただき、オール石川での人材育成のあり方について考えていく機会となればと存じます。多くのみなさまのご参加をお待ちしております。

日程:
 13:30~13:40 ショートレクチャー
 13:40~15:00 事例報告 4事例 (15分報告、5分質疑応答) 
 15:00~15:10 休憩、質問票回収
 15:10~16:30 全体討論
 16:30~17:30 名刺交換会 ※任意参加
詳細:http://gakuto.ucon-i.jp/wp/wp-content/uploads/2014/01/20140304.pdf

2014/02/13

2/21セミナーご案内:主体性と向き合う教材のデザイン

金沢大学 大学教育開発・支援センター
第18回FD研究会

日時:2014年2月21日(金)16時40分~18時00分
場所:金沢大学角間キャンパス・総合教育1号館2階大会議室
テーマ:主体性と向き合う教材のデザイン - 反転教室の実現に向けた教育 方法の過去・現在・未来
報告者:角南北斗(デザイナー(Web&教育))

趣旨:反転教室(flipped classroom)の実現に向けては、効果的な教材を発信し、事前提示した教材に対して学習効果を測定する必要がある。学習者に提供するリソースには、教師側が教材を使うという視点を越えて「教師の役割をパッケージにした教材」「学習者を助けるツールとしての教材」としての要素が強く求められよう。 また、大規模公開オンライン大学(MOOCs)が広がる状況に合って、主体的な学習の実現をどうするのか、改めて議論が必要である。主体性は学習者だけでなく、教師においても重要な要素であり、これから誰が何をすればいいのかを、教材設計の思想に絡めた形で言及し議論したい。

2014/01/29

Trow model re-revisited トロウ=喜多村モデルの再・再考

喜多村和之氏の訃報(2013年12月)に接して、M.トロウ「高度情報社会の大学」の解説から、「アメリカにおける高等教育の発展段階」として図表と、続く議論から要旨を抜粋し、紹介する。

アメリカにおける高等教育発達段階

1)エリート型(elite higher education) : 限定された少数の特権としてのエリート教育
2)マス型(mass higher education) : 能力ある多数者の権利としての高等教育
3)ユニバーサル・アクセス型(universal-access higher edcatuon) : 万人の義務としての高等教育の機会の解放 第1段階・・・大学適齢期人口層への教育機会の解放 第2段階・・・全年齢人口層への教育機会の解放
4)ユニバーサル・アテンダンス型(universal-attendance)? : 万人が実質的に高校以後段階の教育機関に就学

喜多村氏の解説によれば、(4)最終段階での高等教育システムをなす主要施設は、大学に限らない。
高等教育機関と、誰でもいつでも学べる生涯教育機関(非大学機関)との組み合わせ 大学・各種学校・企業・組合・軍隊・地域団体その他
この予言はMOOCsの登場によって、現実のものとなりつつある。

ただし、最後のシナリオは、万人が大学への進学を強制される、必ずしも望まなしくない状況(ドロップ・アウト率の増加、大卒人材雇用の非正規化など)を生んでおり、大学・大学制度の構造的な見直しが検討されるべきだろう。

カーネギー高等教育審議会による、選択を迫られている方向性

1)現行の大学を中心とする高等教育システムを今後もそのまま維持していく
2)大学全員就学を目標として、これまで以上に大学制度を集中的に拡大・発展させていく
3)現行の大学制度以外の教育機関の地位や魅力をたかめ、これを大学制度に代わる教育機会のチャンネルとして活用化していく

一見、1・2のような現状維持・拡大発展モデルでも問題がないようにも見える。現に、政府の示す矢継ぎ早の方向性、改革実行の各プランは、選択と集中によって、大学制度の復権を模索しているように見える。

カーネギー審議会は、「第一、第二の方向は現行制度の欠陥を改善できないのみならず、将来の教育需要に柔軟に適応できないものだとして、第三の方向をえらぶべきだと主張」している。

最終段階に生き残る教育機関は、現行の大学だけではない、様々な形式を取る多様化の視点が、すでにトロウにより提示されている。本書が1982~1999年の間の論説であるとは、とても思えない。

最終段階の多様性

ユニバーサル・アテンダンス型
  万人が高等教育の機会に在学することが強制されるシステム
ユニバーサル・アクセス型
  万人が希望に応じて生涯のいつかの時点で高等教育の機会がひらかれるようになるシステム
ユニバーサル・パーティシペーション型
  万人が特定の場所や時間の制約なしに学習の機会を得られるようになるシステム

情報技術の発展によって高等教育へ接する機会が広がる状況で、伝統的な総合大学、研究大学の生き残りについて予断を許さないという認識は、アメリカの1990年代末の状況(!)である。


最後に、喜多村氏の言葉から、日本の大学の方向性を探る。
・・・学問の自由の雰囲気のもとで、教師と学生がフェース・トゥ・フェースでともに知識や技術を探求する組織としての大学制度は、大学が学問の水準を維持発展させ、すぐれた人材をひきつけていくならば、これに代わりうる有力な制度は今後も生じにくく、威信の高い大学は存続するばかりでなく、いっそうの反映を享受する可能性もたかい。 
二一世紀の前半までには日本の高等教育が世界の外国人学生をひきつけるだけの魅力をもちうる質的向上を達成しえなければ、学生市場は確実に他の高等教育システムに奪われることのになり、したがって、日本の高等教育が国際競争力をもちうるか否かが、日本の将来の鍵をにぎることになろう。いずれにしてもいまこそ日本の高等教育の方向を見定め、これを推進する強力な政策が求められる時期であり、トロウ教授の新著は多大の示唆に富むものと信じている。
14年後のいま、私たちはマクロ(政策レベル)の視点を持ちながらも、可能な限りの現場の実践を発信し、多くの教師と学生と市民が、協同の教育実践に取り組まなくてはならないと考えている。

過去記事: http://ed-science.blogspot.jp/2013/11/trow-model-revisited.html

2014/01/25

2/5セミナーご案内:第4回若手教員授業研究会

大学コンソーシアム石川
第4回若手教員授業研究会

日時:2014年2月5日(水)18時30分~20時30分 (18:00受付開始)
場所:金沢大学サテライト・プラザ 2階講義室

趣旨:今日の大学と教育を取り巻く状況のもとで、教育実践を日々積み重ねられていることと思います。加えて、教育活動に関する能力開発をめざすファカルティ・ディベロップメント(FD)活動の努力義務化、実施義務化を契機のひとつとして、私たちは教育能力の開発のために様々な情報を得ることができるようになってきました。
ところが、大学教育に関わるようになって10年以内の教員のフォローアップと手を取り合っての連携が、まだまだ私たち自身に必要ではないでしょうか。学生のことも授業のこともさらに学び、教育・研究に携わる者としての教育哲学・研究哲学を研鑽し成長を続けることが求められています。
 今回は、学修成果・成績評価に焦点をあて、大学の枠を超えて教育学・学習科学・専門分野の知恵を持ち寄り、語り合い学び合う「場」が、私たちの教育力の支えになればと願います。
詳細:http://ks-edu.w3.kanazawa-u.ac.jp/wakate/

2014/01/24

1/30セミナーご案内:TUNING、AHELO、高等教育質保証

金沢大学大学教育開発・支援センター
第14回評価システム研究会・第17回カリキュラム研究会

日時:2014年1月30日(木)16時30分~18時00分
場所:金沢大学角間キャンパス 総合教育1号館2階大会議室
テーマ:TUNING、AHELO、高等教育質保証
報告者:堀井祐介(大学教育開発・支援センター・教授)

趣旨:10月に一橋大学が、12月に国立教育政策研究所が主催で開催された国際シンポジウ ムではどちらもTUNINGがタイトルに挙げられていた。本研究会では、両シンポジウムでの説明資料を参考に、TUNINGについてその趣旨、仕組みについて確認するとともに、OECDが実施しているAHELO(高等教育における学習成果調査(Assessment of Higher Education Learning Outcomes)とTUNINGとの関係を通して国際的な高等教育の質保証の流れについて考えてみたい。