2013/06/27

7/5セミナーご案内:相互評価を取り入れたライティング能力育成の試み-双方向授業のさらなる発展を目指して-

金沢大学 大学教育開発・支援センター
第12回FD研究会・第19回学生・学習支援研究会 合同開催

日時:7月5日(金)16時30分~18時00分
場所:金沢大学角間キャンパス総合教育1号館2階大会議室
テーマ:「相互評価を取り入れたライティング能力育成の試み-双方向授業のさらなる発展を目指して-」
報告者:末本 哲雄(大分大学 高等教育開発センター講師)
指定発言者:久保田 進一(金沢大学 大学教育開発・支援センター 特任助教)

趣旨:大学教育において、双方向授業を行うことが重要であることはいうまでもない。既に、教員と学生間での双方向性を意識した教室内での授業改善はかなり普及してきている。今回は、大分大学高等教育開発センターの末本講師に、授業外の学生の学び合いを促進する試みを取り入れた授業実践を紹介していただく。具体的には、本学のポータルにも組み込まれているWebClassの新機能(本学は未導入)を活用した、受講生たちの相互学習の授業実践について、複数の科目における事例紹介となる。講師のご報告に基づき、授業をどのようにすれば学生たちの成長の実感が伴う学習成果に結び付けていくことができるのかについて、参加者一同で考えていきたい。

2013/06/18

6/25セミナーご案内:医療・保健系大学における初年次導入教育・リメディアル教育の実践と展望

金沢大学 大学教育開発・支援センター
第11回FD研究会・第12回評価システム研究会 合同開催

日時:6月25日(火)16時30分~18時00分
場所:金沢大学角間キャンパス総合教育1号館1階小会議室
テーマ:「医療・保健系大学における初年次導入教育・リメディアル教育の実践と展望」
報告者:杉森公一(金沢大学大学教育開発・支援センター・准教授) 

趣旨:「医療・保健系大学においては、卒業時に国家試験合格が必須であるため、専門教育への接続のために入学前後から初年次にかけての早期からの基礎固めが求められる。今回は、生物学の自習用教材を用いた入学前準備学習とその成果把握、入学時プレースメントテストによる学力の推移のような学部レベルでの機関調査(IR)活動によって、入学直後からの動機付けを高める工夫についての実践例を報告し、初年次導入教育・リメディアル教育の展望について議論する。」

2013/05/13

5/14セミナーご案内:授業におけるわかりやすい説明とは?―認知心理学から考える―


金沢大学 大学教育開発・支援センター
第10回FD研究会・第11回評価システム研究会 合同開催

日時:5月14日(火)16時30分~18時00分
場所:金沢大学角間キャンパス総合教育1号館2階大会議室
テーマ:「授業におけるわかりやすい説明とは?―認知心理学から考える―」
報告者:島田英昭(信州大学教育学部・准教授)

趣旨:「授業におけるわかりやすい説明」が求められているが、どのようにすればそれを実現できるのか、手がかりがつかめないという声がある。今回は、認知心理学を手がかりに、学生の頭の中で行われている情報処理のプロセスを明らかにして、わかりやすさについて考えてみたい。具体的には、情報処理の容量限界、既有知識の影響、知覚的特性について、簡単な心理実験のデモンストレーションをしながら説明し、議論する。



2013/03/05

rung of a ladder ハシゴの格(こ)


up and down the ladder / Robert Couse-Baker

 (大学における)教育とは、何か? 学びとは、何か?

 初等・中等教育で実践にあたっておられる先生方の知恵を借りながら
これからの「小中高大連携」を模索したい。
すべての学校種で立ち上がっている、子どもたちの学びに連続性を持たせることを
議論し実践する段階に、私たちは並んでいるように思う。

教師にとっての大学教育とは何かを、位置づけるとき
濱名篤・山田礼子らの言う「初年次教育」の視点はヒントになる。
(たとえばJASSO「大学と学生」2008年5月号の特集 文献1,2 に詳しい。)

しかし、教師自身が受けてきた小中高大での教育がどのようなものであったのか、
矯正や訓練の思想、または受験戦争のもとで知識偏重であったような
一方通行の講義形式に依っていたのならば
大学と学生の現在置かれている状況への対応は、困難を極める。

さらに、教育か研究かの二元論で論じることでもなく、
故マーティン・トロウの提唱したエリート→マス→ユニバーサルの
大学モデルでいうところの最終段階に、
いま、まさに到達していることを自覚しなくてはならないだろう。

では、私たちは教育とその哲学をどこに位置付けたらよいのであろうか。

大学教育におけるリメディアル教育・初年次教育・学修支援の位置づけ

これまでの大学では、選抜された学生(トロウモデルでのエリート段階)に対し、
対等あるいは師弟関係を基盤にした「徒弟的」関係の中で
教育・研究が展開されてきた。
現状あるいは今後は、多様な質と能力の学生を受け入れる
マス~ユニバーサル段階の移行期にある。

「学生のなりたい姿」を見出し、学習を支援する第一歩に大学初年次における
導入教育と学修支援が位置付けられる。

教育の梯子

いま、上ろうとするハシゴがある。
ただし、最初の何段かが抜けていることに学生は気付かない。

「懸垂」のような状態でもがいている彼らに、知識・技術・行動としての適切な
ハシゴの格(こ)を入れ、学び方(上り方)を共に探し、
そして彼ら自身が主体的に高みを目指すことを援助、支援したい。

参考文献

1. 濱名篤、初年次教育の必要性と可能性、大学と教育、2008 (pdf)
2. 山田礼子、初年次教育の歴史と理論、大学と教育、2008 (pdf)
3. 山本以和子、大学から見た『大学改革の概説』、ベネッセ教育研究開発センター、2002

2013/02/08

魔法の言葉


I believe in you / ckubber
 

学生の「主体的・能動的な学び」が、大学改革のバズワードとなっている。
アクティブ・ラーニングとも総称されている。

今度は、小学校時代の恩師を訪ね、初等教育の現場と
生活科・社会科・総合的な学習の時間での実践を追いかけた。
(ただし、具体的な事例は詳細に述べない)

主体的な学びとは

主体的な学びを進めるには、こどもの力を信じること、
教員が教科(指導要領)の枠内ではない、本物(学問と文化)を知り伝える、
努力を惜しまないことにあると考える。
教師も、児童・生徒・学生と同じく、学究の徒として学び続ける力を持つこと。

小学校「歴史」と総合的な学習の時間の教育実践では、
実社会に近い課題設定をした重点単元で、調べ学習を行った結果
「生徒が教師を追い抜く」生徒の成長する姿が現れたという。
科学教育の用語での「真正の評価」であり、教師のファシリテーションの成果、
ピア・インストラクションの実例でもある。

これが、10年前に小学校で実現されてきた
主体的に学ぶ教室のイメージだとすれば、
大学教育でのアクティブ・ラーニングのスタートは、あまりに遅い。

魔法の言葉を持つ

私の授業を振り返ってみる。
授業冒頭には発問し、一人ひとりに「問い」を投げかける。
言葉にならなければ、彼らの私語を頻繁に拾い上げて、生まれた気づきに
「素晴らしい」
「よく考えているね」
と応答することを繰り返す。

大人数講義でも1対1の関係を成立させる魔法の言葉は、
彼ら学生の学びへの敬意を表明することであり、彼らの善なる意図を肯定することだ、
と信じる。

教授から学修へ、ラーニング・パラダイムの転換期に我々は立っている。

教室の創造、大学の創造

「『学生』の将来なりたい自分」を主語に、これを支援し導き、
4年間の一人ひとりのサクセスストーリーをつくる「場」を
活きたシステムとしてつくりたい。つくらねばならない。

そのモデルの基礎と教育哲学を持ち得る1つの方法は、
小中高大の恩師と私のストーリーを言語化し一般化する試みではないかと
考える。
自らが受けてきたスーパービジョンの振り返りに、さらに加わるのは、
私が支援にあたって卒業していった学生一人ひとりのストーリーである。

学生が変われば、自ずと教育の質に向き合うという
自生的な教育力が、すべての大学に備わっていることを心から願う。

関連

1. 青野透、アクティブ・ラーニングのためのアクティブ・ティーチング、金沢大学大学教育開発・支援センター・センターニュース No.438、2013
... 加えるならば、能動的な学びのための、アクティブ・エデュケーションが求められると考えます。